これは長母音が組織的に変化した現象で、発音のパラダイムシフトとでもいったらいいのだろう。大体、15世紀から17世紀に掛けて起こった現象で、あっという間に起こったものではない。
具体的には、次のように長母音が変化した。
a: → ei
e: → i:
i: → ai
o: → ou
u: → au
例えば、名前は、
古英語では nama(ナーマ)
中英語では name(ナーマ・・・語尾の e は軽く発音されていた)
現代英語では name(ネイム)
というように綴りや音が変化した。
この大母音推移の結果、英語の綴り字の読み方はすごくひねくれたものになってしまった。世界的に見ても、すごい特殊なものになってしまった。
でも、英米人は自分達の綴り字の読み方は普通だと思っている。というか、それしか知らないから、当たり前だろう。
だから、英語を覚えるときには、英語独特の綴り字と発音の規則を覚えないと苦労する。
ローマ字読みでは絶対にダメである。
この英語の綴り字と発音の規則はフォニックス (phonics) という。
フォニックスについては、そのうちに、色々と説明したいと思う。