例えば、文法性(男性、女性、中性)があったり、格変化(I--my--me などの様な変化のこと)が全ての名詞と形容詞にあったりとか。
ところが、1066年に英語史上の大事件が起こった。それが the Norman Conquest(ノルマン人の征服)。要は、イギリスがフランスの領主に征服されてしまったのである。
すると、フランス語から大量の単語が入ってきた。その結果、元々英語にあった単語がどんどん使われなくなるようになって、今では英語の語彙の約半分はラテン語系(ラテン語はフランス語の先祖)の単語になってしまった。
それから、新たに入ってきた単語のために、意味が変わってしまった単語もある。
また、格変化もほとんど無くなってしまったり、文法性が無くなったりとかした。
言語の変化がはっきりと現れるには少し時間がかかるので、一般には1066年ではなくて、1100年が一つの区切りとされている。そして、1100年以降の英語をMiddle English(中英語)と呼んでいる。中世英語ではない。
Old English(古英語)も Middle English(中英語)も中世に属している。でも、この二つを合わせて中世英語と言うことはまずない。まれに Early English(初期英語)と言ったりすることはあるけれど。
古英語と中英語は特徴が違いすぎるので、普通は別々に扱う。
最後に、中英語の文学作品の例を挙げると、初期の頃のでは、トールキン (Tolkien) が研究していた Ancrene Wisse (アンクレーネ・ウィッセ)。
一般には、チョーサー (Chaucer)のカンタベリー物語 (Canterbury Tales) が有名。