2011年04月03日

英語の歴史 その2 (グリムの法則)

インド・ヨーロッパ語からゲルマン祖語(ゲルマン語の大本)へ移行するときに子音の変化が起こった。
下にその子音の変化を表で示す。見たこと無いかもしれないけれど、/χ/の発音は/h/みたいなものだと思っておけばいいだろう。

bh→b
dh→d
gh→g

b→p
d→t
g→k

p→f
t→θ
k→χ

これは、発見者にちなんでグリムの法則(Grimm's Law)と呼ばれている(別名は「ゲルマン語の第一子音推移」)。グリム童話で有名なグリム兄弟のこと。

グリム兄弟は言語学者で、ドイツ語の辞書を編纂したのだが、その過程で言語資料としてあちこちの民話を収集した。だから、正確には「童話」というより「民話」なんだろうね。

この法則にからむインド・ヨーロッパ語の子音は、帯気音(/bh/, /dh/, /gh/)を除けば大体はギリシア語やラテン語の音と同じだと思っていいだろう。

で、法則の具体例を下に示すことにする。

pâter (父[ラテン語]) → father 
duo (数字の2[ラテン語])→ two

そして、ドイツ語の場合は、さらに子音が変化した。

例えば、

drink (英) → trinken (独)
posted by weyrod at 21:50| 歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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